「ホームページを作ってお店の集客を伸ばしませんか?」というテレアポから始まって、顧客に高額のリース(100万単位)を組ませる悪徳業者で働いていたことがありました。
もちろん顧客の売上なんか上がらないし、営業マンは使い捨てだし、制作チームは疲弊の一途だし、会社名を検索フォームに打ち込むと「ブラック」とか「2ch」とかグーグル先生が補完してくれる、絵に描いたようなブラック企業。
扱う商材が違えど「よく分かってない人に高額料金をふっかける商売」は日本中に存在するし、そのビジネスモデルを批判するつもりもないけど、そのビジネスモデルで飯を食ってることに嫌気がさしてすぐ辞めましたw
という訳で今日はその時の思い出を振り返りつつ、どういうところにホームページ制作を頼めば成功するのかみたいなことを書いていこうと思います。
あまり面白い話でもないし書く気は無かったのですが、2chまとめで
■2年間ブラック企業で人事担当だった俺が内情をぶちまけていくhttp://lifehack2ch.livedoor.biz/archives/51634660.html
というのを見て新規感を感じ触発されて書きました。
※ちなみに在籍していたのは2012年-2013年ごろで、現在もその会社はあるので社名や部署名は伏せときます。
この記事の目次
ホームページリース会社の内情
まず人が定着しない。ブラックだからとか、ノルマがありえないほど高いとか、パワハラが日常茶飯事とか、まぁ色々ありますがとにかく人が定着しない。
営業マンは使い捨てで、年中求人広告を出す
- 入社して試用期間(6ヶ月)を生き残れば一人前
- 1年在籍できればベテラン扱い
- 2年在籍している奴は長老レベル
世間の感覚とは大幅にずれている。「入社して3年はがんばる」とか「石の上にも3年」なんて思わない方がいい。3年もいればスミソニアン博物館に展示されるレベルの希少種だ。
企業の例えで「人は歯車~」なんてのを聞くが、この会社の場合、人は燃料。人を燃やして動力を得ている。とどのつまり外燃機関、ようは自動車のエンジンと同じだ。
盆休みや年末年始など、少しでも連休ができてしまうと「他にやりたいことができた」といって休み明けに大勢の人がやめていく。連絡をくれればかなりいい方で、いきなりバックレる人が大半だし、最短記録は2日で飛んだ人がいた。ちなみに管理職クラスも飛んでいったことがある。引き継ぎもろくにないのでもれなく案件も炎上していく。
ただ、彼らを責める気にはまったくならない。体調を崩す前に仕事をやめるのは懸命な判断である。
真夏なのにコート着て出勤しパーカーを被ってガタガタ震えながらテレアポする営業マンをみたときは、もう手遅れだと思った。
ちなみに俺は引き継ぎデータ作ったあと台湾にしばらく国外逃亡した。
色んな経歴の人が入社してくる
人がすぐやめる反動で、採用の窓口は広い。基本的なコミュニケーションが取れれば誰でも入社できる。営業未経験者でもウェルカムだ。
- 元フリーター
- 元飲食店店員
- 元介護職
というのが王道で、
- 元自衛官
- 元ゾウの調教師
- 元プロ雀士
- 元ボクサー
など非常にバラエティに富む。まともな営業マンとしての経歴を持っている人はほぼ来ないし、来ても選考の途中で辞退していくと聞くので、結果として奇人変人の寄せ集めになる。
元自衛官の人は根性がすさまじくどんなに上司から詰められてもへこたれなかったが、ある日突然賢者タイムが訪れやめていった。国民を守るための自衛官が、国民を騙して金儲けする会社に転職し、良心の呵責に耐え切れなかったようで。今はまともな職についているようでなにより。
研修はOJT(Omaega Jibunde Training)
間違ってもOn-the-job Trainingではない。お前が自分でトレーニングだ。
一応配属後に簡単なビジネスマナーと商材についての説明があるが、入社書類に判子を押した数日後にはテレアポが開始される。営業手法は独学でなんとかしていくしかない。これの弊害でとんでもない営業トークができあがり、
- ホームページを作れば必ず売上があがります!
- 無料でホームページを作ります!(ただしリースを組ませます)
- 無料でパソコンを差し上げます(ただしリースry)
- 無料でGoogleの検索結果の1位に表示させます(ただし検索圏外)
- パソコンのことならホームページ以外もサポート、面倒見ます(できねぇよ)
- 明日完成できます!(できねぇよ!!)
などと言い始め、制作現場は大混乱、顧客からはクレームの嵐である。
情弱が情弱から金をむしり取るビジネスモデルなので、React.jsやUI/UXで盛り上がってる2016年の意識高い系制作界隈を傍目に未だにこんな不毛なやりとりが行われいる。
自社商材(CMS)がしょぼい
日本の法律では役務に対してリースが組めないので、ホームページ制作ソフト、あるいはCMSのログイン画面へのショートカットが入ったCD-ROMに対してリースを組ませる。ホームページビルダーやDreamWeaverといった有名どころではなく、聞いたこともないソフトである。
高い値段の割に機能がしょぼく、とても価格相当のものには見えない。営業マンはそれを非常に画期的で洗礼されたweb制作ソフトだと洗脳教育され、リテラシーのない顧客はそれを信じて買ってしまう。
ホームページ制作会社の選び方
テレアポや飛び込み営業をしてくるところから契約するのはやめましょう。web制作をやっているのにwebから集客できる能力がない会社という証明に他なりません。
(以下随時追記・・・の予定)